大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26(オ)355 判決

主 文

原判決を破棄する。

本件を東京高等裁判所に差戻す。

理 由

上告代理人の上告理由第一点及び第四点は末尾添附別紙記載のとおりである。

上告人は原審において「本件売買契約履行の期日は其の定めなかりしも分筆登記

を為し得る準備完了の上被控訴人より其の旨控訴人に通知し履行請求することによ

り登記と同時に残代金を支払う約束なりしか故被控訴人は売買契約后九日目なる昭

和二十三年十月二十五日其の手続完了せしを以て同日控訴人を訪れ面会の上其の旨

を告け登記の上残代金支払はれ度旨請求せしに控訴人は地所の内七坪二合六勺を除

外され度然らされは請求に応することは出来ぬと意外の返事に驚き其の不信を詰り

交渉せしも承認せさりし、当時金銭の必要を痛感し居りし被控訴人は止むなく辱を

忍ひ恨を呑み十一月四日、八日の両日控訴人方を訪れ再三再四交渉せしも控訴人は

依然前言を固執して応せす為めに登記を為すに至らさりしものなり」と主張したこ

と記録により明である。そして右上告人の主張事実にして認められるならば被上告

人は履行の意思なきこと明な場合、又は予め受領を拒絶した場合といわなければな

らない。そうとすれば上告人は本件契約の解除を為すにつき原審の要求する様な現

実の提供をする必要はないわけである。しかるに原審は右の点について審理判断す

ることなく、上告人が現実の提供をしなかつたことを理由としてたやすく上告人敗

訴の判決をしたことは審理不尽の違法あるものというの外ない。原判決はこの点に

おいて破毀を免れない。

よつてその他の論旨についての判断を省略し民事訴訟法第四〇七条に従い裁判官

全員一致の意見で主文のとおり判決する。

最高裁判所第三小法廷

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裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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